2006年6月28日

●絶品のピロシキ、ボルシチ、エトセトラ。ロシア料理の老舗「バラライカ」

突然ですけど、私にはあるレストランにまつわるちょっと不思議な記憶があります。

たぶん、まだ4、5歳の頃でした。私は両親と3人、薄暗いロシア料理の店で食事をしていました。いつものようにさっさと自分の食事を終えた私は、店の中をウロチョロ探検!当時はおおらかな時代で、子供がそんなことをしても目くじら立てる人はいませんでした。

そうこうするうちに店の一番奥に急な階段を発見。で、そ~っと上ってみました。上の階は意外にも明るく目の前には西洋風の家具。と、「コツ。コツ。コツ」 ゆっくりとした靴音が聞こえてきます。現れたのは黒い髪を頭のてっぺんに巻き上げ、ウエストの細くしまった黒のロングドレスのおばあさん。おばあさんはそんな格好をしているのに、顔はどう見ても日本人。彼女はそれから家具の引き出しをすーっと開けて、中に何かをゆっくりと仕舞いこみました…。

何か怖くなった私はそのままそーっと階段を降り、狐につままれたような気持ちで食事中の両親のテーブルに戻りました。

「あのおばあさんは一体誰なんだろう…?ひょっとして、年を取ったメアリー・ポピンズかしら?うん、そうかもしれない。年を取って動けなくなって、あそこに隠れ住んでるんだわ」

くらくらした頭で今考えるとそんな荒唐無稽なことを想像していました。

さて、またまた前置きが長くなっちゃいましたけど、今回ご紹介する店は、私にとっての長年の謎の生まれたロシアンレストラン、北野坂にある「バラライカ」です。

ちなみに、この店は私の両親が婚約時代にデートによく利用し、その後結婚して私が生まれてからも家族で何回も通っていたところです。

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