●【ザ・シェフリンク盲腸線】蕎麦の実の飽くなき探求者~京都・上賀茂 そば屋「じん六」
今年も残すところわずか。どうしても気になっているお店がありました。京都は上賀茂→そば屋「じん六」。
ザ・シェフリンク第10弾。あの→「馳走 侘助」は蕎麦打ち職人の牛田幹男さんが、遠慮がちにでも真剣な表情で手渡してくださったパンフレット・・・・
「ボクはこの店の蕎麦を目標にしています。遠いですがよろしければ一度行ってみてください」
やってまいりました~♪冬の京都に。
じ――ん六。蕎麦を箸でつまんでいる感じでしょうか・・?
こちら!ご主人の杉林 隆行さん。気さくで穏やかないい方です。
先細りの心配される呉服屋のお坊ちゃまだったのですが、将来を考え一念発起し30代で蕎麦屋をはじめました。
まずは蕎麦がき。
「2005年の福井産の蕎麦を使っています」
うお~(●。●; 蕎麦屋でこんなこと言われたのは初めてです。まるでワインの銘柄を言うみたいな感じですね。
しかもこの蕎麦がき、→「馳走 侘助」で見せてもらった殻をむいた蕎麦の実と同じ薄緑。
ほかほかで、ふぅわ~んと青草のような香り。もっちりとしてかすかに甘いです。
杉林さんは暇さえあれば車で全国を旅して蕎麦を作っている農家を尋ね、目の前で特別美味しい蕎麦がきを作っては
「こんな蕎麦を作ってくれませんか?」
とお願いするのだそうです。どこからそんなエネルギーが出てくるんでしょうね。この日も睡眠時間2時間だったご様子(><;
ガラス戸越しには冬ざれたお庭。中はストーブでポッカポカ(~。~)
→こんなメニュー見つけちゃいました。ブレンドしていないお蕎麦の食べ比べ。さっそく注文。
最初は茨城産。緑色が濃くて、口当たりはモッチモチ。これがお蕎麦!?(◎。◎)って、ちょっと吃驚!!
お次。北海道。色は灰色がかっているけれども、いざ!
ザワッもちっ。私が思うところの・・・つまり真新しい蕎麦殻枕のような香りが・・・んん?これがタイプかな(・。・?
最後に、蕎麦がきでも食べた福井産。もっちり感は茨城には劣るものの草のような香りと甘み。
ふ~。鰊で端休め。
京都だな~(~。~)
厨房で茹でた蕎麦の湯きりをする杉林さん。
やっぱり、いい緑色の蕎麦を打っておられるんですよねー。
「はい、大盛り。おまちどうさま~」
食事時間でもないのにぱらぱらとお客さんが常に来ています。
2005年の福井産の粗挽き蕎麦を・・・・本格的に食べることに!鶯餅のような色をしています。
鴨汁蕎麦で!
んん~ん!!これが蕎麦の香りなのか~。草の香りだ!・・・・・思っていたのとぜんぜん違う(><)
同じ産地でも農家によって味が違って、同じ農家でも袋によって味が違うそうです。
「蕎麦打ちは得意じゃないですよ~」
と言う杉林さん。
「「馳走 侘助」の牛田さんのほうがずっと上手だし職人です。でも、ボクは蕎麦は製粉だと思ってるんです。
この田舎蕎麦にしても粗挽きですよね。もしかしたら荒く挽かずに細かく引いたほうがその中にもっと香りが入ってるかもしれない・・・でも細かい粒や粗い粒が混じっているから出てくる香りのよさもあるし・・・」
うむむむむ~(・。・?難しいものなんですね。香りの食べ物って。
なんだか急に日も暮れて・・・さっきまでいたお客さんも帰ってしまいました。
私も帰る前に、麺打ち場を見せていただきました。
年季の入ったこね鉢。後ろの引き戸の奥から、なにやら機械の音がします。これって何の音ですか?
「蕎麦の実の大きさの選別をしているんです」
もう一人の従業員の方が電気をつけて見せてくださいました。(・。・???どういう仕組みに・・・
「こういう穴の大きさの違う板が何種類かあって・・・
・・・それを上から穴の大きな順にセットして左右に揺さぶりながら蕎麦の粒の大きさを選別するようになっているんです」
ほよ~(・。・)
で、あれは殻むき・・・。綺麗な緑色ですね。
ありゃ?機械止めちゃいました。
「これです。徳島産の蕎麦です」
なるほど。蕎麦のための特別な袋はなくて、米袋に入って来るんですね。
蕎麦の実、食べてみました。んん、ちょっと荒々しさがありますね。「馳走 侘助」で食べたもののほうが無難な気がします。でも、2005年の福井産にはどちらもかないませんね~。しかし北海道産に感じたものはなんだったんでしょう???
蕎麦って、判りませんね~(><;
殻をむいて、また米の袋に入れて・・・
ピカピカの厨房。
ふらり・・・とまたひとりお客さんが。
そば屋「じん六」。
あっという間に外は真っ暗。冷たい雨が降っていました。
姿が見えなくなるまで寒いのに見送ってくださる杉林さん。
今回はじめて、蕎麦を食べたような気がします。でも、またひとつ蕎麦がわからなくなっちゃったような気もします。そこが蕎麦の魅力なのかもしれませんね。
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そば屋 じん六
住所 京都市北区上賀茂桜井町67
TEL 075(711)6494
定休日 月曜日・第4火曜日(祝日の場合は翌日)
営業時間 11:45~19:00(L.O)
コメント
うわぁ~い!
蕎麦と言えば何をさておき飛んできてしまうmidoriです!!
もうすぐ年越し蕎麦ですね~!
なんてタイムリーにお蕎麦の記事。
もうすっかり 蕎麦気分が盛り上がっております!!
とても綺麗な緑のお蕎麦。
香りの表現が早坂さんならではの繊細さ。
私も食べたいなぁ。最初の蕎麦がきからずずず~っと全品。
京都に行ってお蕎麦を頂くチャンスはあるだろうか?
来年の予定表を片手に「じん六」さんの住所をチェックするmidoriでした!!
Posted by: midori | 2007年12月25日 20:09
☆midoriさん
ここで食べた茨城産と福井産の蕎麦は、いまだにふしぎ~な気持ちにさせられます。あれは何だったんだろ~(・。・)って感じで・・・。
北海道産のは、あ、これだって思ったんですけれども・・・あとの二つは未知の食べ物でした。そして杉林さんに言わせればそれが蕎麦なんですよということになるんでしょうね・・・きっと。
蕎麦がきは絶対はずしちゃだめですよ~。んもーめちゃくちゃ美味しいから!!そして、2005年の福井産って、指定してくださいね。それが一番不思議なお蕎麦ですから。
ここのお蕎麦はmidori色でした~(^◇^)
Posted by: 早坂 | 2007年12月25日 20:30
“こんなメニュー”いいですね!
おいしいおそばの差って微妙だから、食べ比べるとわかりやすいですよね。以前、手打ちと機械打ちをふたつ頼んで食べ比べたら、その時にはわかったけど、別々に食べていたらわからなかっただろうな(笑)
Posted by: ロレンス | 2007年12月25日 23:00
☆ロレンスさん
“こんなメニュー”いいでしょ~(^◇^)
確かにこうやって食べ比べてみないと、わからないと思います。
んん~ん。ロレンスさんならしばらく通えばどこの蕎麦か覚えてバッチシ当てますよ。
ここの蕎麦はツユはいらないくらいでしたよ。
Posted by: 早坂 | 2007年12月25日 23:24
どうも。
ひょんなことから「蕎麦を見直すキャンペーン」?wをやってまして。。。
「新蕎麦の香りが口の中に充満して鼻に抜けていく」という蕎麦好きのレビューを散見しますが、果たしてそんな状態が実際に存在するのか?という正直な感想を「拘り蕎麦屋」を廻ってつづっております。
そんな中「じん六」さんはアタシ的に秀逸なお店の一つとして記憶しております。
また行きたくなってきました!
Posted by: tak | 2007年12月26日 00:08
☆takさん
おはようございま~す。
「蕎麦を見直すキャンペーン」?拝見させていただきましたよ~(^^
関西はうどんですやん~で蕎麦嫌いだったワタクシですが「じん六」の杉林さんもそれにたがわず蕎麦嫌いだったそうです。
でも、福井から嫁いできたおばあちゃまがみんながうどんを食べる中で一人蕎麦を食べていた・・・なんであんなまずいもんを・・・と思っていたそうです。でもある日美味しい蕎麦に出会って・・・・
と話は長くなりますので割愛いたしますが「じん六」の蕎麦のあの香りのよさは、まずい蕎麦が嫌いな主人から生まれたものではないかと思われます。杉林さんにとっては、いい蕎麦はいい香り、よくない蕎麦は嫌いな匂い、になるみたいです。
そんな中で杉林さんおすすめのお店は、長野県黒姫の「ふじおか」というお店でした。店を出て車を走らせている間もずっと蕎麦の香りにフワ~ンと包まれているそうです。↓↓
http://sobanoyokozuki.com/sobaya-nagano/06.html
Posted by: 早坂 | 2007年12月26日 08:09
ども!
「ふじおか」さんのことご教授頂きありがとうございます。
杉林さんの例にもあるように~蕎麦が嫌い→余計に蕎麦にはまる、のでしょうかw
私は以前から決して蕎麦は嫌いではなくいわゆる「拘り蕎麦屋でお酒なんか呑んでそれで香りがどうのこうのと薀蓄を垂れる風景」「口の中に蕎麦の香りが云々」が妙に思えて嫌いだったんですよ。。。で彼らは一体何をおもってそんなことを言っているのだろうと、本当にそんなものが存在するのか。。。という疑問から、一から色々と廻ってみようと思いました。
来年には「ふじおか」さんに行ってるかな。。
広島の翁達磨にもいかなきゃいけないし、こりゃ大変だw
Posted by: tak_123 | 2007年12月26日 08:48
ところでどうして「盲腸線」なのですか?w
神戸以外のシェフリンクはそうなっているの?
Posted by: tak_123 | 2007年12月26日 08:49
☆tak_123さん
なるほど~。なぞが深い分その魅力にはまる・・・蕎麦ってそんな食べ物なんでしょうね。
私は美味しい蕎麦を食べたことがなくて蕎麦嫌い・・・食べられないわけではないですがチョイスがあればうどん・・・でした。ところが、身の回りに蕎麦好きが意外にも多くて、どこが美味しいんだ~?ということで、「馳走 侘助」さんでフムフム、有馬の「むら玄」さんでんん~ん、で今回の「じん六」さんでほーほー!ということにあいなりました(^◇^V
takさんの「ふじおか」の記事、楽しみにしております(^。^m
Posted by: 早坂 | 2007年12月26日 13:17
☆tak_123さん
「盲腸線」・・・わかりにくくってごめんなさいね~(><)
ザ・シェフリンクはズ~と次から次へとお店がつながっているんですけれど、それ以外にお店の人から教えてもらったお店。
次はどこにも行かない。だから、盲腸線なんです。
Posted by: 早坂 | 2007年12月26日 13:29
盲腸線~りょうかいしました(・∀・)
Posted by: tak | 2007年12月26日 20:01
☆takさん
それでは、発車オーライ(^^)\
Posted by: 早坂 | 2007年12月26日 22:28
早坂さん、年内の更新はもう一度ぐらいでしょうか?毎度、楽しみにしているだけに、ちょっとひやひやしながらチェックしたり、、、 ^^
おそばといえば、家も年越しそばを準備しなくちゃ~と思っていました!
鰊に鴨汁・・・。うなってしまいそうです(いえ、既に画面の前でうなりました)
ところで、こんなところで失礼しますが、お気に入り登録させていただきました
Posted by: kn_der | 2007年12月27日 15:50
☆kn_derさん
いつもと同じ、金曜日にアップいたしますよ~♪わぁぉ~(^◇^)そんなに楽しみにしてくださってるなんて嬉しい限りです!!
ううーー。鴨なんば!とか寒い夜に食べたくなりますよね~(><)七味入れてハフハフしながら・・・
わ~、お気に入りに入れてくださってありがとうございます(^O^m
Posted by: 早坂 | 2007年12月27日 19:41