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2007年7月 6日

●"ザ・シェフリンク"第34弾!~華麗にして優美!スペイン騎士道料理 神戸・トアロード スペイン・バル「エルラコーデン タケウチ」

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「ザ・シェフリンク」第34番目のお店は!!オ~レ゛ィ!情熱のスペイン・バル!神戸はトアロード「エルラコーデン タケウチ」です。
ご紹介は、スウィ~トなフレンチ「レストラン パトゥ」山口シェフから。

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おお~(*。*)店に入るなり鎖につながれたスペイン産イベリコ・ベジョータが・・・。まだまだ熟成させているのか、取り付けた白いカップに肉汁がぽたぽた。

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バルにはすでにタパスが並び始めていました。
タパスはスペインの食文化の象徴。昔々、美食家で有名だったフェリーぺ2世が飲みかけのワインに埃が入らないよう薄く切った生ハムでグラスに蓋をしたのが始まり・・・という伝説が。つまりタパスとは、お酒のおつまみですね。
このあと料理ができしだいケースの中のタパス、どんどん増えてまいりますのよ♪

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焼き立て!スペインのトマトパン。普通のパンより塩を多めに入れ、切った後にトマトを塗って食べます。・・・変わってますね(^^;

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真剣な表情でイベリコ・ベジョータを切るのは、オーナーの武内敦信シェフ。
今、コルタドール・コンテストを目指して日夜研鑽に励んでおります!!?ってちょっちょとっと・・・コルタドールってナンですの(●。●?
「生ハムを切る人。スペインではコルタドールって言うんです。それのコンテストが日本であって・・・」
きれいに切れるようにならなければいけないんですか?
「それだけじゃなくて・・・肉質や肉の状態もよくわかっていないといけないんです」

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「ほら」
うわ~。薄ーい。

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確か足の黒いのがイベリコ・ベジョータですよね。
「いえ。たまに、白いのもいます。20種類ほどいますから・・・。9月になって豚が100キロになったら樫の木の林・・・デエサって言うんですけれどもね、そこに放ってドングリを食べさせて12月に160キロまで太らせます。それ以下の体重のものはイベリコ・ベジョータとは呼ばれず安く売りさばかれるんです」

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さてと。ワタクシはバルではなく奥のレストランでお昼のコースをいただきま~す。

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まずはアミューズとして季節のスープとさっきのイベリコ・ベジョータ。
もちろんこの季節、よ~く冷えたガスパッチョが美味しいですね!いっきに涼しくなっちゃいます。
「スペイン料理とトマトって切り離せませんでしょ。ピーマンも、ジャガイモにしても・・・」
と、武内シェフ。
「全部南米から来ているんですけれど、スペインが南米を支配する前の料理って調べてみたことがあるんですよ。へ?こんな?みたいな貧しい食生活ですよ」
じゃあ食べ物のために大航海時代が始まったんですか!?
「そうですよ」

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そうですよ・・・ってサラリっと言われたので笑っちゃいましたが・・・それにしてもこんなに透き通る絹のように薄く切られた生ハム、はじめてです。それがキラキラと輝きながら幾重にも重なってトマトパンの上に乗っています。
ふわぁ~。味だけして溶けてしまいましたわ。今のは?夢?まぼろし?

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あ、そのトマトソースに似たの「 パトゥ」でも食べましたよ。ものすごく酸っぱくってものすごく甘いの・・・。
「これ同じですよ。横綱トマトって言うんです。トマトは甘いだけじゃいけないって作られたもので、デパートなんかに行けばすごい値段で売ってますよ。7月いっぱいまでですけれどもね」
へえ~。あれは、美味しかったもんな~。またここで食べられるんだ(^O^)うれし~。実は内心あの酸っぱさにはレモンの隠し味でもしたのかなと疑っていたくらいです。でも、本当にそういう味のトマトなんですね!

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できました!上に乗っているのは神戸らしく穴子の燻製。
「スペイン料理をちょっとアレンジしていますからね」
んん~どこをアレンジしたのかわからないですが・・・美味しそ~(^O^)トマトソースの赤とパセリソースの緑がにじんで、まるで絵のようだわ。

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黒イチジクに茄子、帆立と勝浦の鮪さらにメクリアジという大きくならない鯵の皮だけをスモークして・・・これらすべてをさいの目切りに。右上の黒いのがそのメクリアジとやらかしら・・?
黒イチジクと帆立の甘くとろんとした優しさの中に、鯵のスモークの香とかたい歯ざわりに荒々しさを感じますわ!

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穴子を燻製にして食べるなんてはじめてです。うう~ん。これは確かにフレンチでもなければイタリアンでもなく、ましてや日本料理でもない。さすが騎士道の国スペイン。男っぽいお料理です。

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手づくりのパンも出てきました。

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ふわっとしつつも弾力と引きがありますね。

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「これなんだと思いますか」
左の・・・玉子の白身みたいな色ですね。
「違うんですよ、これトマトの汁です」
赤くないんですか(●。●)
「さっきのトマトソースを裏ごししたら出てきたものです。うちは大切な食材を絶対に無駄にしないんですよ。魚をさばいた時に出た汁もスープに入れますし・・・」
と・・・軽くソテーしたトマトに透き通ったトマトの汁をかけて、アブラメを乗せ。さてこれがどうなりますかと言うと!

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ジャ~ン!!「アブラメのサルサベルデ」。
アブラメの下にソテーした赤いトマトが入っていて、表はグリーン・グリーン・グリン・グリン・グラス。
このサルサベルデソースにはパセリとニンニク、オリーブオイル、アサリ。そしてもちろんアブラメをおろしたときの汁もちゃんと入ってますのよ。

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トマトを乗っけて、緑のソースもつけて。いっただきまーす。アブラメ、旨味がギュって詰まってしっかりとしたお味、そして歯応え。

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わぁ~。3人の陽気なジェントルマンが入ってこられました。どうやらその中のお一人はスペイン滞在経験がおありのよう・・・。
武内シェフ。3人からお料理についての質問攻め(^◇^)なんだか楽し~い。

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タパスも揃いつつありましたのでお許しをえてカウンターの中から拝見させていただきました。
左の緑の枝のついたオリーブのようなもの。ケッパーではないでしょうか?以前に岡本の「イル フラテッロ」で食べてその美味しさに驚いた・・・。
そして・・・手前はフェタチーズに似ていますね。サーバーの女性が奥のほうは羊のチーズですと言ったので、手前のはギリシャの羊のフェタチーズではなくデンマークの牛乳のフェタチーズなのかな・・・?ええいわからニャィ。もう考えないぞ。

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真ん中は「かたくちいわしの酢漬け」。右はオリーブ。左はわからニャィ(><)

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スッキリ美しい方がサーヴしてくださいます。ただし、本場スペインではバルに女性がいることはないのだそうです。

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さて!ワタクシのデザートの時間です。スペインと言えばカタルーニャ。カタルーニャを代表するスウィートと言えばこれ!「クレーマ・カタラーナ」
ただしクレーマと言いつつもクリームは使わずに牛乳にオレンジとレモンの皮そしてシナモンを入れて煮込み、玉子とコンスターチで固めたもの。
コーンスターチ→とうもろこし。ここでも南米が出てきますね。

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うわぁ~。とろ~ん。シナモンの香りとレモンの皮の苦味がいいですね~。
「スペイン人のお客さんからもほぼ現地の味だって言われたんですよ」
と武内シェフ。

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「このデザートがどれだけスペインを代表するかってことを示すお酒がこれなんです。不味いですけれどもね」
へ?「クレーマ・カタラーナ」?んん・・・「おはぎ焼酎」とか「くずもち酒」みたいなもの??

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エスプレッソで、ゆったりと~。
ところで武内シェフはなぜシェフになろうと思われたんですか?
「本当は画家になろうと思って芸大にいったんですよ。でもすぐに、これは自分にとっては仕事じゃないなって思いました。ちょうどそのころスペイン料理店でアルバイトしていたんです。
それと、うちは子供の頃の親の教育方針として、日曜日はお金を少しだけもらって買い物をして子供たちだけで昼食を作るって決まりがあったんですよ」
へ~、それいいですね!聞いた人、だれか真似しそう(^O^)
「兄弟みんなのお金を合わせてちょっと豪勢なものを作ってみたり、ケチって小麦粉だけでうどん作ってそれが不味かったり・・・楽しかったですね」

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いい子供時代ですね。コンテストのことお聞きしましたがこれからはどんなことを考えておられますか?
「イタリア料理が日本に根付くまで・・・何年もかかったじゃないですか」
ああ、イタリア料理ってスパゲッティーやピッツアだけじゃないんだよって・・・。
「ええ。スペイン料理を日本に根付かせたいんですよ。10年か・・もっとかかるかな」
なるほど。根付くと、これはかなり大きな変化ですよね。

では「ザ・シェフリンク」ですが武内シェフおすすめのお店を教えてください。
「芦屋でマダムたちに大人気のイタリアンで「ラッフィナート」っていいます。シェフは小阪さん・・・TELは・・」

それではワタクシの次のミッションは→→→イタリア料理「リストランテ ラッフィナート」・・・わぉ!楽しみ~(^O^)

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今日は久々に華麗にしてオトコっぽいお料理を堪能させていただきました。美味しかったです。武内シェフ、ごちそうさまでした~(^◇^)

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お昼のおまかせコース・・・3,080円(税・サ込み)

エルラコーデン・タケウチ
神戸市中央区下山手通2-13-13 クロワッサンビル1F
TEL 078(391)5723
営業時間 17:00~0:00(L.O.22:00PM)
       (土・日・祝 ランチコースあり。12:00~23:00)
定休日 月曜日

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コメント

トマトは甘いだけじゃ駄目だぜぇ〜!
横綱トマト、食べてみたいぞ。
「アブラメのサルサベルデ」!
自宅の庭に置いておきたいような美しさです。

☆ヒロキさん

横綱トマト!あんなのは初めてでしたよ!思いっきり酸っぱくって思いっきり甘いの・・・。

え?え?アブラメ・・・ご自宅のお庭に・・・??
ああ、苔蒸した磁器の手水鉢に見立てて・・・ってどんな発想ですか(><;まったく芸術家の考えることは・・・んん?

こんなにしっかりイベリコ豚見たの初めてです。足も黒いんですね~。

☆くにさん

ひずめはしっかり乾燥して、触るとカサカサと乾いた音がしていましたよ~♪

タパスっていう言葉はよく聞いていたのですが、お酒のおつまみだったのですね。タパスは何がいいかしら〜♪って最近、アルコールのんでつまみ食べ過ぎて1kgほど太ったので控えなきゃ(;-;)
この前「お酒のおつまみ」のレシピ本買ったばっかりなのにー

アブラメといえば、先般の神戸ツアーを思い出しますね~♪
アナゴを燻製にしてイチジクと合わせるってのも、かなり驚きです。
スペインでも普通にアナゴを食べるのか?、それともシェフの独創!?

それと、リキュールのクレーマ・カタラーナ!。元カクテルマニアの
私としては見逃せません。ちょいと調べてみましょうか・・・☆

☆バンビとヒメの姐さん

お酒飲むときはおつまみちゃんと食べるほうがいいから・・・1キロなんて・・・気にしな~い気に・・・するか~(^^;
あ!せっかくだからそのレシピ本、カロリーの高いお酒で食べるのではなくウーロン茶で・・・いかが?

☆つきじろうさん

へ!ほ!?あの時、海で刺身のなか骨も取らずに食べたアイナメとはアブラメのことだったんですね~。↓
http://www.kobekko-gohan.jp/2007/01/31/#000133
そういえば皮の感じが同じですね。
穴子を燻製にするとかっこいい(←?)穴子になります。ピシッと引き締まって薫り高く、それを独特の味わいの甘さを持つ黒イチジクが包み込む。まるでフラメンコの世界です!・・って、わかる?
少なくとも鰻と亀の手はスペイン料理の王道のようです。
クレーマ・カタラーナ・・・どんな味なんだろう・・(●。●;

ケ・タル・エスタ?
バルというよりこれはレストランテの料理ですね、
って書いてあるか(汗
バールでお酒を飲めないなんて、かわいいそう(笑)
ハモンにはやっぱりマンサニージャ、
スペインワインもおいしいんですけどね。
アスタ・ルエゴ!

☆ロレンスさん

ブエナ~ス!
ここはバルとレストランテ、別々になっているんですよ。
お酒が飲めないなんてかわいそうなんていうのはかわいそうよ~。
スペインは確か100年以上前にイギリス人がいい岩場を見つけてダイナマイトで爆破してぶどう畑作りましたよね。そのぶどうの木が今ちょうどいい古木になっておいしいワインができるって聞きましたけれど・・・スペインのどこでしたっけ???
アスタ ルエゴブ ~

なかなか熱心な取材を目の当たりに見せていただき感心しました。 そして教えていただいたURLでこのエルラコーデンタケウチを読ませて頂きました。 神戸に長く住んでいて、これほど便利に旨い店が分かる方法があるとは感激です。 確かにここのパエリアは美味でした。
次回は烏賊墨のパエリアをトライします。 当夜の博多からの友人は喜んで帰りました。

☆神戸のご隠居さま

いつぞやは!!・・・後姿無断拝借失礼いたします。
あの後、パエリアをオーダーされているのを見てワタクシもいただきたくなっておりました。が、その誘惑を断ち切り~・・・家路についたのでした。
あそこは珍しいものをいろいろとそろえているので、遠方からのお客様を楽しませるのにもってこいかもしれませんね。
ぜひ、これからもご隠居さまの旨いもの探しのお手伝いができれば嬉しゅうございますわ。

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