« "ザ・シェフリンク"第3弾!フレンチの何たるかを知った夢のような昼下がり~北野・山本通「ルセット」 | メインページに戻る | "ザ・シェフリンク"第5弾!めくるめく想定外の味のラビリンス!~神戸・加納町「味加味」 »

2007年1月23日

●"ザ・シェフリンク"第4弾!いきなりたどり着いてしまった関西フレンチ界重鎮のこのお店!~元町「ラ・ピエール・ジパング」

15104.jpg

先回の第3弾で訪問したのは、「ルセット」。そこの息もピッタリな素敵な依田シェフご夫妻にご紹介いただいたのは、「ラ・ピエール・ジパング」!!!

その名も関西全域にトドロク有名シェフの有名店に、今回いきなり来ちゃいましたあ!うっひゃ~~~~。

ところで上の写真、Zipangu って壁に書かれてますけど、それをわざと隠すように縦に走っているのはツヤのいい竹!ほんと、ジパングって感じです。
メインのものをわざとちょっこっと見えるか見えないか~~くらいに隠して期待感を高める!これって、フレンチのメインディッシュでよく用いられるテクニックじゃあござんせんこと?

ということは・・・おーー!この文字の竹隠し、お店を見事に象徴してはおりませんか?確か「ルセット」の依田シェフもいわく、「石井シェフはフレンチの基礎がとにかくしっかりしているから、独創的に和の素材を使ってもブレナイ」って!!!これは楽しみ~~!


15134.jpg

パチパチパチ・・・石井シェフ登場!
おっと、失礼。目、つむっておられました・・・。

15135.jpg

あ、目、開きました。
あらためてご紹介いたします。
ラ・ピエール・ジパング」のオーナーシェフ、石井之悠氏です。
「之悠」は「しゅう」とお読みします。

ところで石井シェフ、こんなに飄々と笑ってはおられますが、かの「ザガットサーベイ」’06 関西版で、神戸のフレンチ1位に選ばれた方なのです。

ザガットサーベイ」というのは読者投票型のレストランのランキング本。お客さんがレストランの細かい点をチェックして葉書で郵送するようになっているんでございますの。

だからよっぽどのお気に入りじゃない限り、点数入りません。有名店ですらなかなか・・・・。ましてや1位になるなんて・・・・。一昨年、ステーキ部門ではかの「あら皮」でさえ名を連ねることが出来ませんでしたのよ。

14994.jpg

その石井シェフが、今日、このワタクシのために作ってくださるお料理。何を選びましょう・か・し・ら。みなさまも、ポップアップしてお選びになってみてはいかが・・・・・?

15003.jpg

まずはアミューズが出てまいりました。アミューズのこと、ギャルソンさん確か「付出しでございます」って言ったぞ!ほへぇ~い、ジパングだ!

まず右端は、それはそれはふんわり甘~~い、カボチャのムース。マスタードじゃなくってよ!!そして、カブラのマリネ、サツマイモのパンケーキ。

15008.jpg

前菜です。これが前菜なんですよ!!なんてボリューム!「帆立貝の温かいサラダ カレー風味のきゅうりのサラダ添え」。
上に乗っかってるゴマまみれは、焼いた春巻きです。

15018.jpg

バーーーーーン!!デブッチョです!!!赤いワタは女の子のしるし。
メスの帆立のほうが、だんぜん美味しいんですよね。

15021.jpg

ヒモの量もすごいですね。帆立の身の直径が大きいから、当然こうなりますわね♪

黒い点々は、ホタテちゃんのおメメです。これでグルッと360度周りを見回してきたのね。
これだけの大きさになるには何年も何年も冷たい海域をあちこち移動させられながら、水の中をたゆたいながら育てられてきたはずよ~~今日のワタクシのた・め・に♪

15042.jpg

ワォーーー!ワォーーー!
半分を一口でいっちゃいます~~~。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

ごめんあそばせ。突然黙り込んでしまって。
お口の中全体が、帆立の甘~~~いお味と身が縦にスジスジと割れてゆく心地よさワタのザラザラ濃厚風味に満たされておりましたのワタクシ。
カレー風味は・・・・・・・分かりませんでしたわ。ありゃりゃ?

さらに驚いたのは意外にも、葉っぱものサラダにかけられたドレッシングのお味。あ~~~これなんだろう?このいい感じの、何かこのまま飛翔してゆきそうなこの香り!ガーリックではないし・・・と!思っておりましたら、石井シェフおっしゃるには玉ねぎでした!

ええ?なあ~んだ、玉ねぎなの~~?なんて思ったそこのあなた!ちょっと待ったあーー!フレンチを見くびってはなりませんわよ。玉ねぎを摩り下ろして一晩寝かせたものを隠し味に使っておられたのです。手間隙が違います。
でも他にもいっぱい隠し味の秘密はありそうだけれど・・・・。味噌とか醤油とかいろいろ、石井シェフの手にかかれば何だって本格フレンチにアレンジされちゃうんですから。

15025.jpg

パンはビゴ系の、がっしりハードなタイプです。

15053.jpg

さあ!メインの一皿目「高知産 的鯛のベーコン巻きロースト ベルモット酒のソース」。んーーー、ベーコンでキュッと巻かれているので小さく見えますわね。

15067.jpg

これで、どうだ!切って、ソースをつけてみました。パクリ。

ほーーー、ソースは思ったほど濃厚ではなくサラッとしてますね。しかもキャベツの千切がシャキシャキとして、サラッとした感じを強めています。
ルセット」ではシャンパンのはじけるような、それでいて濃厚な甘いソースでパリッとした鯛を食べました。

ベーコンに包まれた柔らかい鯛の身。ベルモット酒のちょっと苦味を含んだ、もしかしたら重くなってしまっていたかもしれないのをサラッと軽く仕上げたソースでいただきました。全く違う美味しさです。
奥が深いですねえ~、フレンチのソースは。

同時に不思議だったのは、一口目はベーコンの味が前に出ていたのに二口目からは鯛の味しかしなくなったことです。

15138.jpg

下戸っ子のワタクシ。こんなご馳走をただのウォーターで食べてるなんて、こちらのカウンターの気になる方はたぶん信じられないでしょうね!!

15075.jpg

ワーオ!出ました。二皿目のメイン。「フランス産 ホロホロ鳥の蜂蜜とエピス風味のロースト」です。

まずは、お肉の上の黒い物体。ナスビなんですけれど、これにご注目あれ!!!

15102.jpg

持ち上げると「わあ!!」実際に声出しちゃいましたよ。もう!石井シェフったら、いたずらっ子ぉ~!
まるでビックリ箱のようにレーズンがポロポロポロ・・・・・と転がり出てきました。焼きナスのなかに甘味を取り除いたレーズンを隠してあったのです。

そう言えば、これを持ってきた時のギャルソンさんも、何だかナスビについてはちょっと「ふふふ」って感じで、詳しい説明をわざとされてなかったわね~。

15089.jpg

では、気を取り直して。
骨の付いた方のホロホロ鳥にソースをかけまくって、召し上がらせていただきましてよ~~~~♪

15093.jpg

ほ~~~~。すごい赤身の、いい歯応えのお肉ですわ!蜂蜜の味も、ほんのり微か。
それと・・・・・・・・・
えびすってなんですか~~?
ギャルソンさんにお聞きいたしますと・・・
「エピスでございます」
へ?あのビールのえびすじゃなくって?
「はい。ビではなくピ。カタカナのエピス。香草を乾燥させたものでございます」

そ~~かーー。微かに、メチャクチャ上品に香草の香りがいたしましてよ♪
お肉の旨味がポンと前に出て、美味しゅうございますわ。んんーーーん。んんーーーん。
二つ目の大きい方は骨なし。すごい食べ応え、大!!んんーーーん。んんーーーん。

15032.jpg

ランチタイムも終わって、お客さんもみんな帰っちゃいました。
(ていうか、ワタクシ撮影のことを考えていつもこういう時間になるようにわざと遅めに来ているんでございますの…)
ギャルソンさんいわく、満席だったら「今日はお客さん少ないねっ」て、みんなでホッとしているんだそうです。つまり、満席程度では少なくて、並びの入り方がハンパじゃない、ということなんだけれど・・・・。

14998.jpg

ウフ。ベルバラ・・・・じゃなくて、ベツバラのデザート選び。これもポップアップで読めますわよ。

15110.jpg

ワタクシ、「ガトーショコラ クラッシクとチョコレートのムース」を選びましたの。いかが?カッコイイでしょ?

15119.jpg

こちらはガトーショコラもチョコレートムースも、ガシッとしておりますの。
そういえば、パンもそうでしたわね。
そして、ソースもまろやかと言うよりはサラリ。
男っぽいフレンチでございましたわ。それが「ザガットサーベイ」で1位に選ばれたということは、ウーマンパワーで男性タジタジのこの神戸も案外見捨てたものじゃないということですわね。うん、なんだか嬉しくなっちゃいました!

15128.jpg

コーヒーでまったりしておりますと、そこへ・・・・・・・・・

15130.jpg

石井シェフ、再度登場。
今日はガッシリとした力強いフレンチを楽しませていただきましたわ。ごちそうさま!!

ところでシェフお奨めの美味しいお店はどこですか?
「洋食屋さんなんだけどね、加納町の「味加味」っていう店です。ボクはそこにいつも食べに行ってます」
じゃあ、石井シェフにとってそのお店のいいところって何ですか?
「美味しい。ボリュームがある」
え???それだけ?
「うん」
たとえば「ルセット」さんは、石井シェフはフレンチの基礎が出来ていて人望もあつくって・・・・とかいろいろおっしゃってくださったんですけれど。
「えーーー?まず、一品にご飯とうどんが付くんですわ」
???洋食屋で?
「あ、パスタもなかなかのもんですわ。プロシュートとかもあるし、今やったら牡蠣フライが旨い」
はあ~。

では!!!気を取り直して、行ってまいります。
次なるワタクシのミッションは→→→→洋食屋さん(?)の「味加味」!!!!
↑↑↑HP見るとマッチョダイナーですね。楽しみ~~~~♪

15142.jpg

さてさて、ご好評いただいております漫才。けれど、さすが男らしさが売り?の今回のお店「ラ・ピエール・ジパング」にはオモチャ系の飾りが残念ながらありませんでした~。ということで、また次の機会をお楽しみに~~!

気に入っていただけたらクリックよろしくお願いしま~す♪ペコリ!

にほんブログ村 グルメブログへ

banner_01.gif

ラ ピエール ジパング
神戸市中央区元町通1-4-12 Misx 1F
TEL:078(392)6885
営業時間 11:30~14:00 (L.O.)
       17:30~21:00(L.O.)
定休日 火曜日

ランチコース・・・・3500円+サービス料350円

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kobekko-gohan.jp/cgi-bin/mt4/mt-tb.cgi/137

コメント

おぉ、まだ行ったことないです。
ナス、美味しそうです。

外人相手に、日本らしいフレンチを食べさすって機会があって、その時に、こことマツシマさんと迷って、瀬田亭の流れを汲むマツシマさんにしました。

ナス、美味しそうですね!
今度、行って見ます。

☆KABAさん

こんにちは、KABAさん。ああ、土曜日にはもうUSAにお戻りだったんですね。ナス、食べ損ねちゃいましたね。

でも、お店は逃げては行きませんから・・・・そっか、このナスの一品はどうかな・・・・。

>瀬田亭の流れを汲むマツシマさん

気になってます~~~。

実は私、ザガットサーベイの採点に参加しとります。
当然、東京版だけれども。
あの海辺での夜の学習会で学んだホタテ講座が、即、記事に生かされてますなぁ(^^)

おひさしぶりです!
うわ!おいしそうだし、オサレなお店♡
1位になったお店なのか~♡
おいしいレストランのシェフの行きつけを聞くとは早坂さんいい考えヾ(*'▽'*)ノ
おいしいこと間違いナシですね!

ども~☆、その節は誠にお世話になりました~♪
素敵な素敵なダーリン様にも、ぜひお礼をお伝え下さいまし!
後日の記事も楽しみにしてますっっっ☆
 
エビス、エビス、知りまへんでした。そういやロシア語の
通訳でエッセイストだった故・米原万里さんは「ロシア語で
エビスと発音すると非常にお下品な意味のコトバに
なってしまいます」と警告なさってましたよ。
ところでシェフの写真、部分拡大してくれないと全部
いっしょに見えるんですが・・・(汗)

☆ヒロキエさん

ザガットサーベイの採点者のお1人でしたか!ひゃ~~採点厳しそうだなーーー。

海辺の専門家から直接聞くフードアナリスト講演会。お勉強になりました。
ワタクシは特に生物学的に興味シンシンでしたわ。

☆KABAさん

ブログにあげておられたのですね。
確かに・・・・こちらはより和テイストですね。
海外のお客さまに喜ばれそうですよ♪

☆いぬこさん

お引越し、おつかれさま~~。

そうなんですよ。シェフさんに聞いてお店を尋ねていくようになって以来、もうすごいことがワタクシのお口の中で巻き起こっておりますのよ。
もう、みなさんにもどうやればこれをお分けできるのか分からない!
独り占めしては申し訳なさ過ぎますので、せめて写真からでも充分味わってください。

☆tsukijigoさん

エピス。後でネットでも調べましたが、それそのものの情報はありませんでしたね。
フランス料理辞典と辞書をお持ちの55aiaiさんか華麗叫子さんならご存知かもしれないんですけれど・・・・・・・。

いえいえ、この微妙な違いに石井シェフの魅力が出ているんです。

ん?tsukijigoさんエビスじゃあないですよ。エピス。エピス。ああ、ローマ字で書いたほうが分かりやすいですね。EPISU です。

こんにちは先日はありがとう御座いました
ラピエール 石井です。
議論を呼んでおります e'pice(エピス)ですが
フレンチでは一般的に乾燥した香辛料のことをさします、先日お出しした ホロホロ鳥は
エルブドプロバンスとローズマリィーの乾燥の香辛料を使っています。

それと私のコメントが短いのは生まれもっての
天邪鬼な性格と 見かけによらない 恥ずかしがり屋と ご理解くださいませ。
では また・・・・

☆石井シェフーーーーー!

わーーーー!!じきじきにコメントをいただけるなんて!光栄の極みでございますわ。

ほ~~~エルブドプロバンス!これまた知らないハーブの名前が・・・・・。
石井シェフ、ワタクシもうね、参りました!頭に入りきらないので、いち客としてこれからも感じたままを書かせていただきます。

ホロホロ鳥!あれ、美味しかったです。e'pice(←さっそく使う)のなかのローズマリーは認識できましたが、それが控えめでいやみがなくてお肉の旨味を際立たせておりましたの。こんなのって初めてです♪

石井シェフの短いコメント、ワタクシとっても楽しませていただいておりましたのよ。
これを書きながらも、いつもは末尾につけている漫才と同じだな~~なんてムフムフ笑っておりましたの。あ、これ漫才にしたらよかったですね!しまった~。

マッチョダイナー「味加味」!楽しみです。

ぼんじょるの~♪
ほう、ザガットの1位のお店とは!
やっぱホロホロ鳥にくらくら来てしまいましたわ。
あ、そうそう、おじさま達とのKOBEデート
楽しそうな記事があちらコチラで・・・。

大人の遠足状態でしたのね♪

☆華麗狂子さん

スラマット スィアーン♪

狂子おねーさまの、それとも叫子姫のフランス料理辞典、出番なくなっちゃいましてよ。ごめんあそばせ。でも石井シェフからじきじきお教えいただけて光栄でしたわ。

ええ、そうですの。大人の遠足状態。3人はリュックしょった生徒で、ヒロキエおじ様は担任の先生。マイダーリンは副担任。
子供たちに危険がないよう引率してくださいました。

シェフリンクの合間に、ヒロキエおじ様の記事と連動させてこちらもアップいたしますわね。お楽しみにーーー。

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)