●熊本ラーメンぽい名前で実は神戸の中華そば「もっこす」
「おじさんの集うところ、旨いものあり」
突然ですが、私はそうにらんでいます。で、たいてい当たります。今回のその場所は神戸は御影公会堂の西隣、「もっこす 石屋川店」です。
ただしここで美味しいラーメンを食べるには、ちょっとしたコツがいります。以前「もっこす」で「ありゃ？」とか「あの～」とか思った方、このレポ、よく注意して最後までお読み下さいませ（コツは中盤あたりに書いてま～す）。
あー、いかにもラーメン屋さんて感じの写真でしょ？最近テラテラ光る油性ペンキで絵や文字を建物全体に書きたてたラーメン屋さんが多いので、ちょっとこーゆーどこか昭和を感じさせる外観に出くわすと懐かしくなっちゃいません？灯の横の暗い脇道を歩いている人もなぜか哀愁を帯びて見えます。ラーメンをすするおじさんたちの腰が赤のれんの下にずらり並んでいます。
ビニールの日よけの文字は消えかかってて読めないのですが「もっこす」の上に「神戸の中華そば」と書いてあります。「もっこす」というのは熊本弁で「頑固者」の意味だそうで、熊本出身の方がここに郷里の味を求めてやってきて「違う！」とがっかりされることが多かったため「神戸の中華そば」と書き加えたそうです。
中に入りまーす。
馬蹄形のカウンターの中はおじさん３人体制。湯気の中、ニクタイロウドウという感じで働いてらっしゃいます。カウンターの周りはこれまたみんな男。一日あくせく働いてスーツがヨレッとなってしまったリーマンお父さんや、さっきまで部屋で寝っ転がってテレビ見てたんでしょってカッコウの独身お兄さん。
今日私は、間違って夏っぽいノースリーブの水色のワンピース姿でこの店に入ってしまいました。ダーリンと一緒だったとは言え、実はちょっと入りにくかったかな・・・。
でも実際に緊張したのは私ではなく、ラーメンすすってるリーマンお父さんや特に独身お兄さんの側でした。なぜなら、皆さん一様に「あ、ヤベ！」と身を堅くされたのが分かったんですもの。つまり深夜「もっこす」で食べている姿はちょっと女性には見られたくない、という男性ならではの恥じらいの感覚なんでしょうね。
でもしばらくすると彼らのほうが私を観察し始めました。ズルズルズルッとラーメンすすり上げるフリをして顔をあげ、横目でこっちをチラッ。（あ、私がすごい違和感あたえてるんだって思っちゃいました）また再びズルズル、チラッ。（わっまた違和感光線！まあこんなカッコで来た私が悪いんだけどさ）しっかし面白いですね～、男の方って。以前、ちょっと抑えたトーンのグレーのスーツでこの店に来たときはそんな反応には会わなかったんだけど・・・。
もともと「もっこす」は中央区の大倉山で始まり、そこが行列のできるラーメン屋さんとして有名になるに従って、次第にチェーン化。今は上のポスターにもありますがスープも刻みネギもみんな工場で作っているみたいです。でもなぜだか店によって、しかも時間帯やカウンターに入っているメンツによって味がぜんぜん違うのです。
おススメなのは夜８～９時頃の石屋川店。カウンターに四角い銀縁メガネをかけた四角い顔のおじさんが入っているときです（少し上の写真の手前に、下向いておられますが写ってます。ってこれじゃわかんないですけれど）。でも昼間、ガラガラ～と引き戸を開けてカウンターの中にジャニーズ系ぽい（たぶん）バイトの男の子が３人入っているのを見たなら躊躇せず引き戸を静かに閉じて帰りましょう。
行くときの格好としては、基本的に男性は何も気にすることはありませんけど、もしあなたが女性ならジーンズ＆Ｔシャツとかが無難かと思います。間違っても今日の私みたいな恰好で一人で行くのはやめましょう。
さあ、いよいよラーメンに接近してみます。・・・・でも、麺が見えないんですけど。見えるのは大量のチャーシューと大量のネギ。これで普通の「中華そば」です。「チャーシュー麺」ではありません。じゃあもし「チャーシュー麺」を注文したらどうなるかと言えば、この上にさらに二重三重とチャーシューが乗ってきます。男性でもかなりの胃袋の持ち主か相当の空腹かでなければ、ちょっと引いちゃうと思います。
以前は脂っこかったらしいスープも、今はスッキリした醤油とんこつです。このスープが、実はかなりイケマス！というか、個人的に私は大好きです。
それから大量のチャーシューですが、これは脂身のない部分で作ってるんですよね。よく脂身がストライプ状に入った豚バラのは見かけますけど、ここのは豚の腕肉に感じが似ています。それを食パンのスライサーを改良したみたいな機械で、うすーく、うすーくスライスしてます。かなり歯応えのある肉です。きっとその薄さと堅さが美味しさの秘密だと思います。牛タンに似ているといえなくもありません。
ネギの下にはこれまた大量のもやしが隠れています。それら大量の野菜とのコンビネーションのおかげでなんとかチャーシューは完食できる感じです。麺は堅めのストレート麺。通常の１．５倍は入ってます。スープが麺にからまないとご不満の方はどうぞレンゲに麺を入れてスープをすくって頂きましょう。時間はかかりますけど・・・。
でも・・・、遅めの時間にこんなお腹いっぱいになっちゃって、う～む、ちょっと後悔。
ということで、今日は神戸の中華そば「もっこす」を美味しく食べるには、というテーマでお届けいたしました。
早坂
麺はどこだーーー？
コメント
ランキングからです。
もっこすは数店ありますよね！
昔は大倉山のもっこすによく行きました。
チャーシューたっぷりですね！＾０＾
ランキングぽちっとしておきましたよ！
Posted by: 神戸の食いしん坊 | 2006年6月22日 10:49
はじめまして！神戸の食いしん坊さん。
大倉山、チェーン店化される前に一度行ってみたかったですね～。そのころもきっとチャーシューてんこ盛りだったんでしょうね。
ぽちっとサンキューはげみになりま～す。
Posted by: 早坂 | 2006年6月22日 19:32
このお店、実は京都の高橋の第一旭の流れなんですよ、京都の高橋の第一旭の親戚の方が神戸ラーメンの現在の本店で第一旭として開店、５～６名でいっぱいの小さなお店でした。そりゃ～美味かったですよ、チャーシュー山盛りで麺もね、その後第一旭大倉山店が出来たんですよ、たしか京都第一旭の親戚のご兄弟ともう一人で創業されたはずです。そのもう一方が独立してもっこす創業です。余りきつい事は言いたくないですが、もはや創業当時とは別物です。丼温めるのも麺茹で釜で一緒にやってるし初心忘れるべからずですわ！皆さんすみません夢を壊しまして、しかし愛するが故です。
Posted by: ted | 2007年1月 5日 17:15
☆tedさん
はじめまして、tedさん♪
へ～～～（＠＠）そこまで詳しいお話、はじめてお聞きしました！！
その初めの第一旭のころのラーメン、食べてみたかったですね～～～。
チェーン店って難しいですよね、味の維持が・・・。ほぼ不可能に近いんじゃないかと思っています。だって、作る人によって味が全然違いますもの。
なんだかそういえば最近チェーン店でない店を探す癖がついちゃいました。ラーメンではあまり見かけませんが・・・・・。
tedさんのお気持ち分かりますわ。だって贔屓にしていたお店が変わってしまうのは残念なことですものね。
Posted by: 早坂 | 2007年1月 6日 00:29
早坂様、早速のコメント誠に有難うございます。今何とかお勧めできるのは、小野のらんめん、加古川の翁介、高砂の宝龍、明石の紅洋軒、尼崎の大貫くらいですかねえ、接客の大変悪い西宮のつけ麺屋もありますが、後は純正中華料理屋さんの汁ソバですかねえ、とにかく料理屋さんは客をなめてますよ、原点に戻らなければ！
Posted by: ted | 2007年1月 6日 08:55
☆tedさん
こんにちは～。と言うことは神戸市内にはないということですね（＾＾；）
以前新聞で、日本のラーメン消費量ワースト1が神戸市！と出ていたのがとても印象的でした。
やはり本格中華料理店のだす中華汁蕎麦に負けているということでしょうか・・・？私にはどうもそんな気がします。
Posted by: 早坂 | 2007年1月 6日 14:16
＞でも実際に緊張したのは私ではなく、ラーメンすすってるリーマンお父さんや特に独身お兄さんの側でした。なぜなら、皆さん一様に「あ、ヤベ！」と身を堅くされたのが分かったんですもの。
って、何様ですか？あんた。
Posted by: もっつ | 2008年10月31日 22:07
☆もっつさん
もっつさん、いらっしゃ～い＼＼（＾◇＾）
そーんな簡単にヒガマナイの！！ちゃんと文章読んでくださいね。
ＮＹは５番街のBrooks Brothers のワンピースを着たまま行くことになっちゃたんですよ。
場違いもいいとこ。
みんなジャージとかなのにBBの放つあの不動の正統派トラディッショナルなオーラは当然あそこでは浮くんですよ。
もっつさんもきっと、「あ、ヤベ！」と思ったはずよ～♪いえ、ワタシにではなくって、BBのワンピに（＾◇＾ｍ 仕事帰りに地味なスーツで行くと誰も違和感感じてないのがその証拠よ～☆
もっこすにワンピで行くのはやめましょうね（・。-）Ｖっていうか２００６年なんて、ジーンズ一辺倒でスカートはくのさえ恥ずかしかった年じゃあありませんか（＾◇＾ｍ
Posted by: 早坂 | 2008年11月 1日 08:13